空と海の間に佇んで 私のモン・サン・ミッシェル

フランス地方  観光

 

日本人旅行者に一番人気のフランスの観光地といえばモン・サン・ミッシェル。
ところで私が初めてモン・サン・ミッシェルを訪れたのは今から35年も昔のこと。
その頃は日本に住んでいて、2年勤めた旅行会社を辞め、(海外旅行の添乗員になろう!)と決意していた頃のこと。でも折角だからこの際(自由になった時間を利用して自分が行きたいと思っているところに行ってみよう!)ということで、ひとり旅に出たのだった。
私がその時行きたかった場所は3つあって、「ブルージュ」「プラハ」そして「モン・サン・ミッシェル」…!結論からいうと、この今だったらできないであろうひとり旅は88日間にわたり、スペインのセビリアに始まりイスタンブールにまで至った。

今思い返すとおそらくこの旅が私の原点だったかもしれないなと思うことがある。たったひとりで暮らす、決断する、困難に立ち向かう…なんていうと大げさかな。それほどそれまでの私は甘ちゃんだったっていうことだろう。旅はやはり人を成長させるのである。

前置きが長くなった。

で、その時のモン・サン・ミッシェルは、握りこぶしをあげていたくせに私は自力では行けなかった。(電車に乗ってバスに乗り換え~?私、無理!)って感じで。面倒なことが嫌いな私は結局、パリ発のオプショナルバスツアーの英語版に参加したのだった。片道4時間半、360㎞を日帰りで行くには早朝出ていってパリに戻るのは22時というハードスケジュールだった。
ところが、この時の現地に着いた時の感動の思い出が全くない。なんということだ。3大目的地の1つだったというのに。期待に胸を弾ませていったはずなのに。

おそらくその後の数えきれないほどの訪問記録にかき消され、遠い追憶の彼方に追いやられているからだろう。初めて行った時はまさか自分がその後フランスに住み、ガイドとしてお客様を案内して飽きるほど訪れるとは想像もしていなかった。

しかしそんな私だが、今でもモン・サン・ミッシェルに向かう長い道中、遠くにようやくその影が見えた時、やはり身震いするほど美しいと毎回思うのだ。うすぼけた三角形の影が次第に近づいてくると、カメラを向ける旅行者の人たちに混ざって、私も同様に胸を弾ませている。この高揚感はいつも変わらない。そして遠くから見たモン・サン・ミッシェルのシルエットは何よりも美しいと思う。人と自然の力が合わさらないとこんなものは創れない!

 

 

モン・サン・ミッシェルの歴史は奥深くて、非常に興味深い。まずは成り立ちだが、708年にアヴランシュのオヴェール司教の夢の中にサン・ミッシェルが出てきて「モン・トンブ」という島に自分のための聖堂を建ててとお願いした…という話から始まる。3度目に夢に出てきた時は司教のこめかみに指を立て、本当だよというしるしを残した。次の朝、起きてみたら司教の頭に穴が開いていた…というくだりはホラーだ!でもこういう不思議な伝説がフランスには割とあってなんか面白い。
その後、仰せの通りに聖堂が建てられた島には、10世紀にはベネディクト会の修道院が造られ、13世紀には見事な棟が完成し大勢の巡礼者たちを招き、100年戦争の時には砦としても活躍し、フランス革命の後は一時期牢獄になり、その後建物が重要文化財になって、1979年からは世界遺産になった。現在では一年中、世界中から観光客が集まる中世のテーマパークのような島になっている。ちょっと観光地化されすぎているのが難!そんなこと言っても時代の波には抗えないのだろうけど。

 

 

ところで、片道4時間半かけてやってきて、お食事して、修道院の観光には1時間半、それでまた帰路につくというのが一般的な終日観光だが、私はそれがとってももったいないな~と思っている。どうせなら他の所にも寄りません?

 

 



【旅程案 よくばりモン・サン・ミッシェル】

    1日目)

  • パリを午前中に出発~牡蠣の名所カンカルで海の幸の昼食~
  • サン・マロ散策 クレープのおやつ
  • かつての修道院を改装した美しいオーベルジュ 泊

    2日目)

  • モン・サン・ミッシェルに一番乗りで到着 修道院見学~城壁散歩~お買い物
  • オムレツとプレ・サレの昼食(モン・サン・ミッシェルの名物 仔羊料理)
  • 食後ゆっくりパリへ出発

 


 

*こんな旅程ならもっとゆったりのんびりするし、何よりも体が楽!そして好きな物を見て、買い物して、美味しい地元の名物をその時の気分ででオーダー。団体旅行じゃ絶対味わえないはず!